加納実紀代研究会
インターセクショナル(輻輳的)な場としての「広島」研究ネットワーク
<加納実紀代研究会>が発足しました。
「加納実紀代研究会」は、加納資料を通して加納の仕事を現代の視点から検証・発展させることを目的に2024年2月に結成し「サゴリ」を支える「研究」グループです。
ここでの「研究」とは、長年にわたって在野の研究者として活躍した加納に倣い、自分と社会の関係の中で「問い」を持ち続けること自体を「研究」と捉え、個人と社会を結びつける「交差点」を研究会のメンバーが直接顔を合わせて意見し合うことで、互いに課題を見つけ出し議論を通して共に解決の道筋を見つけ出すことを意味します。
人と人が出会うことによる「戸惑い」や「ためらい」、また人と人のつながりの中から生まれてくる思想というものの価値を改めて問い直し、急速に不可視化されつつある多義的で複雑な「交差点」としての「広島」を、「研究」を通して創出していくことを目指します。
- 1年目(2024年2月〜2025年7月)「加納資料の利活用を通した研究ネットワークの構築」
- 2年目(2025年8月〜2026年7月)「加納資料の利活用を通したアートとの協奏(仮)」
- 3年目(2026年8月〜2027年7月)「研究会活動の記録をまとめた書籍の出版(仮)」
1年目(2024年)の研究会予定
- ●第1回加研(日)3月25日 14:00~ 担当:峯桃香さん
「銃後女性」の「責任」の再発見——『銃後史ノート』における葛藤と「自らへの問い」
「銃後史ノート」で議論されている銃後の女性の戦争責任とその論理の形成過程を明らかにする。 - ●第2回加研
6月23日(日)14:00~ 担当:中森柚子さん
小田実著『難死の思想』から「被害と加害の二重性」を考える - ●第3回加研
8月18日(日)・19日 14:00~ 担当:安錦珠さん
18日:永原陽子 2009『「植民地責任」論』(青木書店)から「被害と加害の二重性」を考える
19日:切明千枝子(広島在住の被爆者)への戦後史の聞き取り調査
- 1)10月12日・13日:
加納実紀代に関する研究発表と討論(担当:マレイド・ハインズ)
東琢磨(『ヒロシマ独立論』著者)と歩く広島駅付近、二葉の里付近のフィールドワーク - 2)12月(日程未定):
在日朝鮮人女性と日本のフェミニズム――加納実紀代の「アジア視点」を考える(担当:高雄きくえ)
ゲストスピーカー:石原真衣(北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授)さんの講演・仮題『<沈黙>の自伝的民族誌―サイレント・アイヌの痛みと救済の物語』を考える。(予定) - 3)2025年2月(日程未定):
広島のフェミニズムに関する研究発表と討論(担当:森田裕美)(予定) - 4)4月(日程未定):
加納実紀代と日本軍「慰安婦」問題に関する研究発表と討論(担当:松永健聖)(予定) - 5)6月(日程未定):
現代の広島のフェミニズム運動に関する研究発表と討論(担当:白砂江里子)(予定)総会(今年度のまとめと次年度の活動に向けた打ち合わせ)
本研究会は、これら加納から引き継がれたバトンを次世代の若手研究者が共同研究のなかでさらに引き継いでいく作業でもあり、「広島」の加害やインターセクショナリティを問うことは、被害者としてのみ表象されてきた「広島」が、自らの歴史を語る主体を取り戻す作業でもある。このようなジェンダーの視点を通したインターセクショナルな場としての「広島」を加納実紀代資料室「サゴリ」から創り出していきます。
