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サゴリと日々➌(2.19-28)

●2月19日(木)

レモン、蕗の薹、小鳥たち、がそれでも春の兆しをそっと示してくれるサゴリの森。機嫌悪くなるはずのない日々。だが…そう思うときほど目を遠くにやることになる。いまここと連続する「遠く」を遠くにしてはいけないと思うから。

そんな気持ちを共有できる人たちとの再開・再会が三日後にやってくる。昨年6月のシンポジウム中止という苦い経験から9か月ぶりの研究会。だからこそ「他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしないわたしたちの解放の方向をさぐるために」(「銃後史ノート刊行にあたって」より)時間をかけて身体と言葉を分かたないで交差していく時間になりますように。

●2月25日(水)

意識していたかどうか問われると自信はないが、加納実紀代研究会を再開した2月22日(2019年逝去)は加納実紀代さんの命日。なんという偶然か、必然か。参加者は8人。

神奈川(実紀代さんの孫)、京都(加納実紀代研究者)、兵庫(加納実紀代研究会会員)、広島市内から3人(同会員) 、県北三次から1人(同会員)。こんな小さな研究会にしては参加者地域が広いこと、研究者より非研究者の方が多いのが特徴か。

今回の発表テーマは白砂江里子さんによる「女を抑圧するものとはなにか」。加納さんが言う「女の抑圧」を意識しながら、改めて「主婦」をめぐる議論になった。ラディカルフェミニズムが生んだ「個人的なことは政治的なこと」というスローガンは、わたし自身にも強烈なメッセージだったことを昨日のように思い出すが、ことに結婚・家族・家庭の中における「抑圧」には重要な視点だったと思う。

 研究会終了後、祝再開懇親会に。しつこいが、加納さんは「わたしはストーブのような人間になりたい」と中3の夏休み日記に書いていた。サゴリにはエアコンはなく、灯油ストーブが唯一の暖房器具。火と火の放つ明りに曳きつけられるように自然と人が集う。もう一つの利点はストーブの火力で鍋煮込ができること。研究会の終盤からおでん鍋をのせ、準備万端。サゴリレモンでレモンシロップを作っていたので、ホットレモン、レモン酎ハイもOK!資料室前の小庭には蕗の薹が芽を出していたので蕗味噌も用意。夜10時ごろまで懇親会は広島の夜景を臨みながら続いた。

 次回の研究会はは5月23日(土)に決定。

 24日は「南米ZINE展」で12人がサゴリする時空間になった。ZINE展の企画者カプチェさんによる展示ガイド、日本の葛餅のようなペルーの路地おやつ、南米で一般的な木の実ケーキもあって、南米とサゴリが一瞬近さを持った心地よさが資料室をつつんだ。

 ●2月27日(金)

 昨日は京都に。京都芸術センターで展示されている「ふるえのゆくえ」鑑賞とラジオ収録のために足を運んだ。

 「ふるえのゆくえ」出品者の一人・井上裕加里さんは昨年のサゴリリサーチアワードに応募され、応援賞(レモンハウス宿泊)を受賞されたのを機に何度か訪ねてきてくださった。平和公園にある「嵐の中の母子像」を3Dプリントし燃やして溶かす過程を映像にした作品を創っている。「溶かしたのちのゆくえは?」という話をしたことを思い出した。

そして今回はまさしく「ふるえのゆくえ」だった。「わたしとあなた、みんなとみんな、あいだにあるものってなんだろう?」。鑑賞者もその問いを受け取ることになる。(作品は是非会場へ。3月15日まで展示 https:www.kac.or.jp)

もう一つのラジオ収録!? わたしも驚いたが、企画者はセンターアートコーディネーターの三好帆南さん。2度ほどサゴリに来てくださり、その折りどうもわたしがいつものように「大風呂敷」をひろげた(笑)ようで、覚えていてくださった。井上さんとの出会いや作品の感想、資料室サゴリのこと、そこまでのわたしの軌跡など、お二人からの眼差しにたじろぎながら、またもや「大風呂敷」をひろげることになった。楽しい時間でした。ありがとう。

●2月28日(土)

 今日は「南米ZINE展」を鑑賞したいと3グループ8人の来室。いつものように自己紹介をして展示ガイドに入る。スペイン語・ポルトガル語なので、ガイドがあるかないかではつかみどころが違うかもしれない。ときどき南米に旅をした! JICAから派遣されてアルゼンチンで働いた!日本語教師をした!という人がいて、その方々の体験も交えて資料室と展示と来室者が交在する。ペルーのおやつなどをいただきながらのおしゃべりタイムは「日本」を超えているのは言うまでもない。

南米は近いかもという錯覚に陥るほどZINEは確実に“手渡し”されている。色遣い、閉じ方、変形冊子、ともかく多様だ。ギャラリーにつどったZINEは南米色と言いたいくらいのピンク・ブルー系の表紙で空気が柔らかく揺れている感じがして、一日に何回かは覗きに行く。

 12月から開催しているが開期あと1ヵ月となった。

すいません、見にくいですが雰囲気だけでも。